観劇100本ノックの記録

1年間で100本の観劇を試みています。

【5本目】ゴツプロ!「十二人の怒れる男」@本多劇場

映画のタイトルはよく耳にするものの、観たことはない作品。

(ただ、三谷幸喜の「12人の優しい日本人」は大好き!笑)

 

ストーリー

スラム街に暮らす少年が父親を殺した容疑で起訴された。
夏の暑い日、見知らぬ十二人の男たちが陪審員室に集まり審議に入る。
判決は全員一致でなければならない。
誰もが有罪を確信する中、一人の陪審員が「話し合いたい」と異議を唱える。彼は粘り強く語りかけ、少年に不利な証拠や証言の疑わしい点を一つ一つ再検証するよう、集団心理を導いていく。息詰まる展開で浮き彫りにされるのは、人間の様々な偏見や矛盾、無関心、先入観……。
そして、有罪を信じていた陪審員たちの心は、徐々に変化していく。

これは間違いなく面白いでしょう!

 

キャスト・スタッフ

塚原大助 / 浜谷康幸 / 佐藤正和 / 泉知束 / 渡邊聡 / 44北川 / 関口アナン / 三津谷亮 / 佐藤達(劇団桃唄309) / 山本亨 / 佐藤正宏ワハハ本舗) / 小林勝也文学座) / 木下藤次郎(椿組)

 

作: レジナルド・ローズ / 翻訳: 額田やえ子 / 演出: 西沢栄治

観劇前に知っていたのは三津谷亮さんのみ。

テニミュとか、「帝一の國」の舞台のイメージ。

 

感想 ※ネタバレあり

客席に入ると、中央に舞台があり、それを囲むように客席が並んでいた。こんな形状になっているとは知らなかったので、始まる前からわくわく!

 

いざ始まると、12人の陪審員が思い思いに動き回り感情を変化させるので、どう頑張っても目が足りない状態に!笑

映像にするとカット割りの問題で見ることのできない、中心人物以外のリアクションも、舞台なら見ようと思えば見ることができるのが贅沢だと感じた。

しかも、固定の角度からしか見えないのかと思いきや、途中、流れが変わる「ここぞ!」というときに舞台が回転したりするので、色んな角度から見ることができた。

 

出演者の皆さんは、それぞれが本当にリアルに「その人」として存在していて、全員がはまり役!誰一人として「ちょっと違和感」という人がおらず説得力と安心感があった。色々な種類の声を聞けたことにも満足。どの人にも見せ場があって良い演目だなぁと感じた。

1時間45分、一回もはけずに物語を見せ続ける力量に感服いたしました!

ラスト直前で、ある陪審員にスポットが当たる感じもよかったな~。「あの少年はあなたの息子ではありません」は、なんだか切なかった。

 

本当に全員良かったが、特に印象に残った方3人をメモ。

陪審員第二号 佐藤 達:不思議な存在感があってスパイス的な感じ

陪審員第四号 塚原大助:まんまアメリカ映画に出ていそうな説得力ある話しぶり!(主宰の方だった!カテコの挨拶は心が伝わってきました)

陪審員第九号 小林勝也文学座):大事なシーンをしめてくれる。笑いもとる。ベテランの力量を感じた

 

 

とても有名な映画があるので、ストーリーを知ったうえで観た方も多かったのではないかと思う。

展開を知っている状態で観るとどう感じるのかも気になった。

 

客席が舞台をぐるりと囲んでいることもあってか、中央の舞台への集中力が高かった。途中途中で結構笑いも起きていてほっこり。劇場全体の一体感があって、「やっぱり生で見るのはいいな~」とうれしくなった!

 

ラッキーなことに千秋楽を見ることができて(カーテンコールまで忘れていたけど…)、観客の熱のこもった拍手を聞き、目を潤ませる出演者を見て、「良いもん見たな…」と幸せな気持ちになれた。