【2本目】赤堀雅秋プロデュース「ケダモノ」@本田劇場
5月7日に観劇。
100本見ることが決まってあわてて取ったチケット。当日引換券だったけど、かなり良い席でラッキーだった!
知っているキャストが多いな、というのと、本多劇場に行ってみたいなという気持ちでなんとなく取ってしまったが、すごいものを見てしまった…
ストーリー
神奈川県のはずれ。
駅前の繁華街以外は寂れ、奥には山ばかりが広がる田舎町。
真夏。
リサイクルショップを経営する手島(大森南朋)は、アヤしげな自称・映画プロデューサーのマルセル小林(田中哲司)とつるむ以外、特に楽しいこともなく、日々しけた店を切り盛りしている。
従業員は態度のでかい出口(荒川良々)と、やる気ばかりで空回りの木村(清水優)の二人。
彼らの楽しみは飲みに出て、キャバクラでマイカ(門脇麦)や美由紀(新井郁)ら女の子をからかうことくらいしかない。
ある日、郵便局員の節子(あめくみちこ)から「父が死んだので家を整理し、不用品を引き取って欲しい」という依頼が。
手島たちは節子の家と蔵を物色するが、木村が蔵から意外な「もの」を見つける。
山から時折聞こえる銃声。
増え過ぎた鹿が農家の作物を荒らし、その被害が深刻化しているため、他県からも猟師を募って害獣駆除をしているのだという。
手島とマルセルの抱えた「事情」と木村がみつけた「もの」、そしてマイカの切実な望み。
退屈な日常はふとしたはずみで軋み、歪み、彼らは暴走し始めた。
なんだか物々しいストーリーにビビる。
キャストコメントも読んだ感じ、相当体力のいる観劇になりそうな予感…
キャスト
清水優
新井郁
私でも知っている方が多くて少しホッとする。
ただ、プロデュースの赤堀さんを存じ上げないのでどんな内容なのか想像もつかない。
感想 ※ネタバレ注意
見終わった直後は放心…
いやね、もうなんなんだ…と言いたい。
ラスト付近はずっと苦虫を嚙みつぶしたような顔になっていた自覚があるし、隣の席の方が顔を覆っているのが横目で見えた。
とにかく、人間のどうしようもない部分を見せつけられた感じ。どうしようもなさをこれでもかと表現する俳優ってすごい…
今の世の中で公然と言ったら一発アウトな会話だらけで「うわ~」と思ったけど、実際はこんな会話がそこらじゅうで繰り広げられているんだろうなと思った。
ずっと明るくけらけら笑っていた美由紀が飛び降りてしまって、そのあとは全員転落するのみ。人間は突き詰めれば全員「ケダモノ」になってしまうのか…?
印象的だった場面
・森の中で猟銃を抱え、ガムテープでぐるぐるにした木村を囲んだシーン。照明(車のヘッドライト?)がとても眩しく異様な感じがして、さらに暗転した状態で話が展開するのが新鮮だった。(で、明転したら人が増えていると!)
・フィリピン出身の母との思い出を語るマイカの独白に心が痛んだ。
世界一のごみの山(スモーキーマウンテン)をテレビで見て「懐かしい」と泣いた母。
・時限爆弾(ベル)が鳴り響くシーン。猟銃がいつ誰に向けられるかわからないし、何が何だか。恐ろしくて、早く終わってくれと思った…
エンタメミュージカルにばかり触れてきた私にはとても咀嚼しきれない。
色んな感想を読んでみようと思う。