観劇100本ノックの記録

1年間で100本の観劇を試みています。

【16本目】「ハリー・ポッターと呪いの子」@TBS赤坂ACTシアター

行けなくなってしまった会社の同期に代わり、急遽観に行けることに。

 

気になってはいたもののチケットを取ってはおらず「たぶん行かないだろうな」と思っていた過去の自分に、「これは観た方がいいよ!」と言いたい。

一緒に行った友人も「良い物を見せてもらった」とたいそう喜んでいた。

 

 

ストーリー

ハリー、ロン、ハーマイオニーが魔法界を救ってから19年後、
かつての暗闇の世を思わせる不穏な事件があいつぎ、人々を不安にさせていた。


魔法省で働くハリー・ポッターはいまや三人の子の父親。
今年ホグワーツ魔法魔術学校に入学する次男のアルバスは、
英雄の家に生まれた自分の運命にあらがうように、
父親に反抗的な態度を取る。幼い頃に両親を亡くした
ハリーは、父親としてうまくふるまえず、
関係を修復できずにいた。


そんな中、アルバスは魔法学校の入学式に向かうホグワーツ特急の車内で、
偶然一人の少年と出会う。彼は、父ハリーと犬猿の仲である
ドラコ・マルフォイの息子、スコーピウスだった!

 

二人の出会いが引き金となり、暗闇による支配が、
加速していく・・・。

 

感想 ※ネタバレ超注意

映画のハリー・ポッターは公開当時4作目まで観ていて、1作目の『賢者の石』は大好きな作品。しかし、話が進むたびに複雑かつ重苦しくなる展開に挫折してしまっていた。

その後、最後まで見ようと思い、Huluの1ヶ月無料体験で一気見したこともあるが、正直最後の方は難しくてよくわからず…ファンタビも1だけ見てよくわからず…

そんなこんなでハリポタ劣等生の気分でいた。

さらに、『呪いの子』の小説は読んでいなかったので事前情報はほぼゼロ。

あまりストーリーへの期待は高くなく、「メリーポピンズみたいな面白い舞台装置がたくさん出てくるといいな!」、「生で藤原竜也の舞台を観てみたい」くらいの気持ちで行ってきた。

 

結果は、「ストーリーも含めてかなりおもろい大作やないの!」

開演前、1幕100分、2幕100分という文字に度肝を抜かれたものの、飽きることなく集中してみることができた。過去に戻って未来が変わるというのは良くある設定だけど、どきどきハラハラしながら見た。

装置はもちろん言うまでもなく良くできていて感動したし、俳優のキャラクター作りもとても良かったと思う。吹き替えの映画を観ているような感覚で、違和感はほぼなかった!

 

1幕

序盤、客席も舞台上もエンジンがかかるまではちょっと退屈な感じがして心配だったけど、あるシーンからグッと引き込まれた。

それは、ハリーと息子のアルバスが言い争いになり、ついにハリーが「お前が息子でなければよかったと思うこともある」と言ってしまうシーン。

この舞台を大きく動かすシーンだが、さすがの藤原竜也というべきか。感情を抑え込んで抑え込んで一気に出す、というのがすごく上手いなと思った。

相対していたアルバス(福山 康平)もうまかった!大きな瞳が印象的。

このシーンをしっかり見せてくれたので、一気に舞台の世界に集中することができたように思う。

(※以前『呪いの子』の小説を解説する動画を見て、ハリーは「モンぺ・ポッター」と紹介されていてウケたのだが、途中、父親として迷走しすぎてアルバスの交友関係や行動範囲に口を出す姿はまさにモンぺ・ポッター。藤原竜也の演技が光っていた!)

 

それから、ドラコの息子・スコーピウス(斉藤 莉生)がいいキャラで可愛かった!出てきた瞬間から気になる存在に。立ち居振る舞いといい、成長する姿といい、笑わせどころといい、見せ方がとっても上手だと思った。1幕の後半には主役級の活躍を見せるスコーピウスは、中々大変な役なんじゃないだろうか。斉藤莉生さんはこの作品でデビューだそうで、これからが楽しみ!

アルバスとスコーピウスは、ともにスリザリンの劣等生。思春期ならではの卑屈さや無謀さを抱えつつも、一緒に未来を切り開こうとした2人の友情が眩しかった。

 

そして、1幕が終わった時の、客席の興奮した感じにすっごくわくわくしたな〜!

呆気に取られていたら1幕が終わって、とりあえず拍手をして、一気に話し出すみたいな(今の時期だから本当はダメなのはわかりつつ…)

全体を通して、客席の反応がとても良かったと思う。かなり笑いも起きていたので、客席の大半が満足しているんたなと思った。

 

2幕

1幕と同じ100分をもう一度見ることに対して「眠気がやってこないか」「2幕への期待値を上げすぎていないか」などと不安もよぎったが杞憂だった。2幕はもっと短く感じた。

 

ヴォルデモートの娘・デルフィーとの最後の戦いはかなりはらはら。ハリーの変身魔法がいつ切れるか、というおなじみのハラハラポイントだったが、やはり作者の思い通りにハラハラしてしまうのが悔しい。

しかしデルフィー。過去に戻ってまで父親にひと目会いたかったというのに会えなかったのは可哀想だったな。しかし未来が大きく変わってしまうから、会わせることはできないのよね…

最後の戦いは結構あっけなく、ハリー側が数で制圧した感じ。デルフィーがアズカバン送りになったのには「情状酌量の余地はないんか」と思った。せめて、これからも孤児として生きていく彼女が、生きやすくなると良いのに。

 

ハリーは、ヴォルデモートに襲われる前の生きているお母さんを見ることができた。しかしその後、自分を守って死んでしまう姿も見た。辛い。

(しかし、本当に良いシーンなのに、膝から崩れ落ちて泣く藤原竜也を観てガリレコを思い出し笑ってしまうという大罪を犯す…)

 

最後は、ハリーとアルバスの愛がお互いに伝わってよかった。

 

 

 

書ききれなかった…

感動ポイント

ダンブルドアの言葉「死でも分つことのできないことがある」→愛。

・ドラコとスコーピウスの力加減ミスりハグ

・過去に戻ってセドリックを助けることはできなかったけど、「父親はあなたをものすごく愛している」ということを、セドリックに伝られたよかった。

 

感想で触れられなかった 印象に残ったキャスト

早霧 せいな(ハーマイオニー:宝塚感が随所に感じられた。強いハーマイオニー。ロンとのやり取りが面白くて好き!

竪山 隼太(ロン):しっかり笑わせてくれるし、雰囲気がとてもロンだった。

宮尾 俊太郎(ドラコ・マルフォイ):良い父親になっていて驚いた。エエ声で、映画のスネイプ先生の声にそっくりだと思った。

美山 加恋(嘆きのマートル):うますぎ。びっくりした。誰なのか気になって、出演シーンはずっとオペラグラスで追ってしまった。

岩田 華怜(デルフィー):ちょっと癖のある良い声!関係ないが、悪者キャラが親を「父上」と呼ぶのはなぜなのだろうか。

 

セット

・文字が客席の壁にきざまれる

・タイムターナーを使った時に揺れる空間

・セットを舞台上に置く時、セットに照明が当たる時など、マントを翻してまるで魔法のように見せる

・動く階段

・エラコンブを食べて潜った水中

・ディメンターがめっちゃ怖い